REPORT:2023年3月5日 KNOCK OUT 2023 SUPER BOUT BLAZE Part.1

第1試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーバンタム級

工藤"red"玲央(TEAM TEPPEN) 27戦11勝(8KO)11敗5分

vs

小倉尚也(スクランブル渋谷) 30戦17勝(8KO)11敗2分


工藤は昨年12月に古木とのタイトルマッチに敗れてからの再起戦。

小倉はKrushを主戦場としていたが、昨年12月大会にKNOCK OUT初参戦し、加藤和也に判定勝利をもぎ取り今回の大一番に駒を進めた。

KNOCK OUT 2022 vol.8で明暗を分けた両者の一戦でBLAZEが開幕。

1 ROUND

工藤がその場でジャンプしてのフェントを掛け左手を突き出しとトリッキーな戦法に出たかと思えば、圧をかけ前進し左右のフックを繰り出し試合を組み立て。

前半はそんな工藤のパンチに手を焼いた小倉だったが、右を直撃させ工藤を後退させることに成功。

膝蹴り、左フックといい当たりを続けるとダメ押しの右フックが工藤を捉えついにダウン。

立ち上がった工藤だったがダメージが残る苦しい展開。

ニュートラルコーナーに詰め左フック、右と当て、防戦一方になった工藤に追撃を加えるとレフェリーが割って入り試合をストップ。

試合後マイクを持った小倉は

『これがKNOCK OUTの第1試合だ』

と吠え今大会成功の狼煙を上げた。


第2試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーウェルター級

渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺) 4戦1勝(1KO)3敗

vs

MASATO BRAVELY(BRAVELY GYM) 16戦10勝(5KO)5敗1分


MMA、ラウェイで暴れまわる渡慶次が2年ぶりのKNOCK OUT参戦。

普段は医師として働くMASATO。2019年12月から3連勝を飾るも21年12月にKO負けを喫すると試合からは遠ざかった。

1 ROUND

リーチに勝るMASATOが序盤からミドル、前蹴り、テンカオと遠い距離から渡慶次を牽制。

渡慶次も怯まずプレスをかけ、パンチを振り回したりとMASATOを脅かす。

筆者の採点は10-10イーブン

2 ROUND

2Rもミドルハイを中心に間接蹴りや顔面への前蹴りも追加し、渡慶次を削るMASATO。

意を決した渡慶次が距離を詰めると左フックやテンカオで迎撃。

渡慶次も被弾しながらも前進をやめない。

筆者の採点10-9MASATO。

3 ROUND

このまま逃げ切りたいMASATOを渡慶次が追い回す展開。

段々と捌けなくなり被弾が多くなるMASATO。

ニュートラルコーナーに詰められ左ボディストレートが当たると動きがガクっと落ちたMASATO。

その好機を見逃さなかった渡慶次がラッシュ。

左右のフックを立て続けに被弾し、ロープ伝いに逃げ場を探すMASATO。

構わず前進をやめない渡慶次を嫌がりMASATOがだした前蹴りに合わせ渡慶次の左ストレートが直撃。

ダメージでコーナーまで吹き飛ばされたMASATOに渡慶次が尚も襲い掛かると遂にレフェリーがダウンを宣告。

勝利を確信した渡慶次が吠える。

なんとか8カウントで立ち上がりファイティングポーズを取るとほぼ同時にラウンド終了のゴングが鳴り響いた。

筆者採点は10-8渡慶次。

本選の判定結果は1者が29-28と渡慶次を支持したが2者が28-28と決着がつかず延長戦へ。

準備のため意気揚々と自陣に引き上げた渡慶次とは対照的に意気消沈といったMASATO。

EX ROUND

渡慶次が一気に勝負を決めるべくグングン前進しMASATOに襲い掛かる。

MASATOも懸命に蹴りで距離を取りに行くもそんなの関係なとばかりに続々とパンチを集める。

パンチを嫌がりガードを上げたMASATOの腹に渡慶次の三日月蹴りが直撃し尻餅をついたMASATO。

このピンチはなんとか立ち上がったが渡慶次がボディに攻撃を集中。

今度は下がったガードを見逃さなかった渡慶次の左ストレートがMASATOの頬を直撃。

力なく倒れこんだMASATOを見てレフェリーがノーカウント試合をストップ。

渡慶次が自分のやるべきことをやり通した一戦だった。


第3試合 KNOCK OUT-RED-53kg契約

KNOCK OUT-REDスーパフライ級王者

心直(REON Fighting Sports Gym) 18戦8勝(1KO)8敗2分

vs

MASA BRAVELY(BRAVELY GYM) 30戦18勝(8KO)11敗1分


この試合が4試合続けてKNOCK OUT現王者が登場。

先陣を切るのは昨年12月大会でREDスーパーフライ級王座を獲得した心直。

3連敗で挑んだ当時無敗の乙津 陸とのタイトルショット。

下馬評不利予想をひっくり返しての王座戴冠からの初戦。

対するMASAはムエタイで数々のタイトル獲得したベテラン。

今大会初めてのREDルールで自分の展開を作れるのはどちらか。


1 ROUND

両者ローの蹴り合いから試合がスタート。

それでも段々とMASAの手数が増え、心直が後退する場面が目立つ。

MASAのミドルをキャッチした心直だが足を取られながらも間髪入れずにパンチをあてるMASA。

当たりはしなかったが接近戦で肘打ちも見せるなど見せ場を作るMASA。

心直のミドルに右フックを当て顔面を歪ませる。

筆者の採点は10-9 MASA。

2 ROUND

蹴り合いが続く2R。

心直がロー、左フックと序盤攻勢を見せるもMASAのミドルがヒットし段々と赤黒く変色してきた心直の右腹部。

浅くではあるがMASAの左クロスが心直のこめかみ部分にヒット。

ラウンド終盤苦しい展開が続く心直が右アッパーを当てるも致命傷には至らず。

筆者の採点は10-9 MASA。

3 ROUND

心直の前蹴りで最終ラウンドが開幕。

段々と両者の距離が近くなりパンチの展開に。

心直の右フックにMASAが縦肘を合わせに行くと、心直はボディショットを狙いに行く。

MASAの左右のローに気が散った心直にストレートを直撃させたMASA。

終盤はMASAが好打を演出して試合が終了。

筆者の採点は10-9 MASA。


公式結果は30-29が1人、30-28が2人と3者の票を得たMASAに軍配。


第4試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーバンタム級

KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王者

古木誠也(G1 TEAM TAKAGI) 6戦5勝(4KO)1敗

vs

武蔵(WIVERN) 7戦5勝(1KO)1敗1分


昨年4連続1RKO勝利でKNOCK OUT王座を獲得した古木。

デビュー戦を除き1Rで決着している古木に挑む形になるのは17歳の武蔵。

チャレンジマッチの意味合いも強くみられるが武蔵はどう戦うのか注目が集まる。


1 ROUND

古木が蹴りを出し続けプレッシャーを与えるも武蔵はバックステップでかわし、ジャブアッパーボディと古木に突き刺す。

古木のローに合わせストレートを当てると、左フック右ストレートと連続ヒット。

コーナーに詰めて膝蹴りを見舞うとレフェリーがスタンディングダウンを宣告。

再開後一気に勝負を決めようと突っ込んできた武蔵の右ストレートに左フックを合わせダウンを奪い返した古木。

しかしダメージはそこまでない模様の武蔵。

再スタート後も一気に古木に襲い掛かる武蔵。

最後は武蔵の左フックからの右ストレートをモロの食らった古木が力なく倒れたの見てレフェリーがノーカウントで試合をストップ。

番狂わせを起こした武蔵がセミに試合を控える兄貴分龍聖と勝利を喜んだ。


第5試合 KNOCK OUT-RED スーパーバンタム級

KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者

壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム) 30戦22勝(8KO)7敗1分

vs

響波(Y's glow) 16戦9勝(6KO)7敗


昨年は4連勝を飾りKNOCK OUT-RED王座も獲得し好調をキープ。

響波は昨年11月に現BLACK古木に1R KOで敗れてからの再起戦。

9勝のうち6つのKOを誇る決定力を持つ。

またモデルとして活動もあり、職業イケメンの異名を持つ壱とはイケメン対決の見方も。


1 ROUND

響波が小気味よくローミドルと蹴り分ける。

壱も蹴り足を掴んで足払いや、ミドルを蹴り返しムエタイスキルを発揮。

距離を詰めた壱が肘を見せ始め、左肘打ちが響波の右眉に直撃。

出血し鮮血が響波の顔面を伝う。

ラウンド終了のゴング後、切り裂いた響波の傷口を確認した壱が印象的だった。

筆者の採点は10-9 壱。

2 ROUND

壱の左ストレートがヒットを当てると響波が右フックを当て返す。

壱が首相撲から傷口に肘を当てさらなる出血を狙う。

苦しい展開の響波は浴びせ蹴りを見せるも不発。

しかしここで流れを切ることができたのか、響波がパンチを壱の顔面に集め始める。

ダメージがあるのは壱。

筆者の採点は10-9 響波。

3 ROUND

筆者の採点では1点ずつ取り合った運命の第3ラウンドへ。

ここから目まぐるしく動くことに。

最初に動いたの壱、蹴りで距離を掴むとコーナーに詰めて右フックから左ストレートをクリーンヒット。

倒れこんだ響波に蹴りを見舞ってしまい注意を受けるもダウンを獲得し、一気に有利に。

再開後も距離を詰めてKOを狙う壱。

それを黙ってみてなかった響波。

壱の前蹴りに右ストレート一閃。

勢いよく倒れた壱、ダウンを奪いポイント五分に戻した。

この日三度目の浴びせ蹴りを見せる響波。

勝負を焦った壱が不用意に前に出た所に左ストレートを合わせダウンを追加した響波。

立ち上がった壱だがダメージは明白。

被弾上等で勝利を目指し打ち合いに挑む壱。

ロープに詰まった響波だったが一瞬の隙をついてバックハンドブローが炸裂。

これを直撃した壱が3回目のダウン。

その瞬間に響波の勝利が確定。

2人で計4度の倒しあいのタフファイトを制した。

試合後は前回敗れた古木への挑戦をアピール。


第6試合 KNOCK OUT-BLACK -59kg契約

KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王者

久井大夢(TEAM TAIMU) 3戦3勝(3KO)

vs

元山祐希(武勇会) 23戦13勝(2KO)8敗2分


昨年デビューし3戦3勝3KOのパーフェクトレコードで王座を獲得した17歳の久井。

かつて父淳平と対戦した元山を対戦相手に迎えた。

1 ROUND

久井のボクシングテクニックが光る。

ジャブで顔面を弾き、左ストレートをねじ込み、ボディフックを冴えわたる。

テンカオなどムエタイスキルも見せる。

筆者の採点は10-9 久井。

2 ROUND

蹴りも多用し始める久井。

元山も首相撲からの膝や、ミドル、左フックで久井を苦しめる。

ラウンド終盤久井の左ストレートがヒット。

筆者の採点は10-10ドロー。

3 ROUND

再度久井のボクシングが元山を苦しめる。

ジャブの被弾を許し、ストレートも食らってします。

元山がボクシングに付き合うと久井はバックスピンキックや首相撲からの膝などで撹乱。

筆者の採点は10-9 久井。

よりクリーンヒットを集めた久井がジャッジ3者の支持を得て勝利。

自身のKO記録が途絶えたことが不服だったのか勝者に笑顔はなかった。


第7試合 KNOCK OUT BLACK ウェルター級

杉原新也(ワイルドシーサー前橋) 24戦12勝(9KO)12敗

vs

宇佐美秀メイソン(Battle Box) 1戦1勝


昨年12月にK-1元世界王者アルバート・クラウス対戦し圧倒の末判定勝利でデビュー戦を飾ったメイソン。

幼少期から空手やボクシングで数々のタイトルを獲得していたメイソンの対戦相手選びは難航。

そんななか手を挙げたのは杉原。

昨年4月のKNOCK OUTで渡部太基との激闘の末判定で敗れている。

1 ROUND

サウスポースタイルのメイソンが左ストレートで杉原に当てるとそこからメイソンの独壇場に。

左右のフック、ボディとパンチを散らし、ハイキック、ロー、前蹴りと次々と放ち杉原は防戦一方に。

特にボディからの軌道から放たれるアッパーで杉原の顔を跳ね上げる。

筆者の採点は10-9 メイソン。

2 ROUND

反撃の糸口をつかみたい杉原がロー、テンカオと試みるもメイソンの前進は止まらず。

1Rと同様独特のテンポで繰り出されるパンチと蹴りに四苦八苦。

危険な角度の間接蹴りも繰り出し始めるメイソン。

パンチを浴び続け杉原の顔が段々と赤く染まりはじめる。

筆者の採点は10-9 メイソン。

3 ROUND

足が止まると間接蹴りを食らい、下がるとフックを浴びせられ、前に出るとミドルを蹴られと杉原の行動をつぶしていくメイソン。

杉原も最後まで諦めず前進しパンチを振るうもメイソンには当たらず。

このラウンドもメイソンが主導権は変わらず試合終了の鐘が鳴る。

筆者の採点は10-9 メイソン。

公式ジャッジも3者とも30-27とKOこそ逃したもののメイソンが前評判通りの実力を証明した。


第8試合 KNOCK OUT-BLACK ウェルター級

渡部太基(TEAM TEPPEN) 54戦24勝(13KO)28敗2分

vs

スアレック・ルークカムイ(タイ/STURGIS新宿) 154戦105勝(33KO)38敗11分


昨年7月良太郎と対戦。

良太郎の首相撲から膝に捕まり敗戦。

9月に組まれたリベンジマッチも同じく首相撲に捕まり連敗を喫するとともにベルト獲得も逃した。

BLACKルールの改定により、組んでからの攻撃は1発までになったことは渡部の追い風になるか。

再起戦の相手に選ばれたのは超攻撃型ムエタイと評されるファイトスタイルで数々の激闘を制しタイトルも獲得してきたスアレック。

激闘型で知られる両者の対戦で1部のクライマックスを迎える。



1 ROUND

スアレックがパンチをぶん回し渡部を強襲。

渡部のローに軸足を狩り転倒させ体力も奪う。

中盤ロープに詰め右フックを直撃されると思わず腰を落としてしまった渡部。

なんとかダウンは逃れたもののパンチで出血もあり厳しい展開。

筆者の採点は10-9 スアレック。

2 ROUND

1Rのビハインドを取り戻したい渡部がグングン前に出る序盤。

ロー、ミドル、ストレートと流れを取り戻しつつあった所にスアレックの左フックを貰ってしまうと形勢逆転。

前戦でも苦しめられた首相撲にスアレックの重いパンチを食らってしまう渡部。

カットした部分からも再度出血。

嫌な流れを断ち切りたい渡部が叫びながらパンチを繰り出すもスアレック”超攻撃ムエタイ”スタイルは崩せず。

筆者の採点は10-9 スアレック。

3 ROUND

1,2Rの猛攻で攻め疲れを起こしたスアレック。

渡部が必死に追い上げを図るも、ローや膝で攻撃をうまく分断し、致命傷を負わすまでには行けず。

筆者の採点は10-9 渡部。

公式採点も序盤の貯金を守り切ったスアレックが判定を勝ち取った。